少し日にちが空きましたが、先日開催した旅学の報告です。
9/21土曜に新潟市東区プラザで開催した旅学、
私がやろうとしている自由大学の新潟版、その初回でした。
初回ということで、どのくらい参加者が集まるのか、
どのような内容になるか未知数な部分がありましたが、
結果は予想を超える課題と収穫がありました。
課題と収穫については別記事で書くとして、
今回は当日の流れについてざっと書いていきます。
今回の旅学は定員を10名としていましたが、
そこまで集まらず、3名での開催となりました。
(0じゃなくてよかった・・・)
人数が少なかったので、自分とゲストの野島さんも加わります。
まず簡単な自己紹介の後に各自思い出の旅紹介。
事前に旅の写真を持ってきてほしいと伝えていたので、
その写真をみんなで囲んで見ながら、それぞれの旅話を楽しみました。
開始前は人数が少ないから盛り上がらないのでは、
という心配があったのですが、この不安はすぐになくなります。
みなさん話しが止まらないのです。
写真を見ながら、ここではこんなことがあった、
ここではこんなことを感じたなど、
その時のことを思い出して話していたので、言葉が次々と出ていました。
1時間自己紹介で確保していましたが、
話し出したら一気に熱量が高まって、
3人で予定の1時間をまるまる使うことになりました。
実は人数が少なくて結果オーライ。
2時間目はゲストトーク。
1人目のゲストは新潟県立大学の学生、野島萌子さん。
スタディツアーに参加して発展途上国の今を見てきた野島さんに、
「目的を持った旅」をテーマに話してもらいました。
全体の話しは、
スタディツアーに至るまでのステップ(アメリカでホームステイ)、
スタディツアーの様子・そこから得たこと・感じたこと、
これから目指すもの、という流れでした。
野島さんは、最初は国際協力をしたいという強い思いがあり、
大学に入ってからは世界の今を見ようという大きな目的を持って
世界を旅しました。
しかし、発展途上国の厳しい現状を知るうちに、
理想と現実のギャップを感じ、生半可な気持ちで関わってはいけない、
と思うようになります。
いくつかの海外経験を通して、現在の彼女が見ているのは、
世界ではなく日本、特に彼女と同じくらいの若い世代とのこと。
必死で生きている海外の人たちを見た後、
日本の若者の姿を見た時に「これではいけない」と思い、
彼らのために何かしたいと思うようになったそうです。
旅をする中で当初の大きな目的が変わった野島さん。
一通り話し終わった後は、参加者のみなさんと一緒に、
旅する目的について話しをしました。
「突発的に」「面白そうなことをやる」「人に会う」
などの意見が挙がってきました。
共通しているのは、「知りたい」という欲求。
人、モノ、場所など、未知のものを見たいという好奇心こそ、
旅する目的の原点だと感じた2時間目でした。
話し合いの時間が短くなったのが心残り。。。
3時間目はゲスト2人目の大野太郎さん。
自転車で日本全国を旅するサイクリストです。
大野さんは「人と会う旅」をテーマとして、
旅のターニングポイントとなった人との出会いについて
話しをしてもらいました。
大野さんの旅は人がその中心にあります。
それは特定の誰かに会いにいくというより、
旅する道中での偶然の出会いによる人、と言う方が合っています。
大野さんは自転車で旅している時、よく地元の人に声をかけるそうです。
それは自転車で旅する時間が孤独で、
その反動によるところが大きいとか。
地元の人と話すことで、ガイドブックにはない情報が得られることもあるし、
何よりその瞬間が旅の思い出になります。
そうやって出会った人との一期一会の機会を記録に残そうと、
大野さんは写真を撮らせてもらったり、
持って行ったTシャツに寄せ書きをしてもらったりしたそうです。
面白かったのは、この寄せ書きTシャツに書かれている内容が、
大野さんへの応援メッセージではなく、書いた人の願いだということ。
まるで七夕のお願いのような感じです。
こんな「みんなの願い」を乗せて走る旅もいいものだと思いました。
話し終わった後は、自分たちが旅で出会った面白い人について
大野さんが用意してくれたシートに書き出し、
グループになって紹介しました。
私も輪に加わって出会った面白い人を紹介しました。
旅で出会う人たちは、たとえ短い時間しか一緒にいられなくても
強く心に残っているものだと、話しを聞いて思いました。
最後に、大野さんは「自分でできることには限界がある」と話してくれました。
もし誰とも関わらず、たった1人で旅をしていたらどうなったでしょうか?
大野さんはたくさんの人に助けられたからこそ
旅を続けてこれたと言います。
自分のことを思い返してみても、旅を彩ってくれたのは
場所よりも食べ物よりも人でした。
「人と会う旅」は、最も楽しく贅沢な旅の1つなのかもしれません。
4時間目はゲスト3人目の野呂さんのトーク。
野呂さんは大学卒業後に、SNSで世界の今を伝えながら
世界一周を果たしたという経歴の持ち主。
世界一周前にTwitterで知り合って、
旅の終わりまでその動向を楽しくチェックしていました。
今回旅学を開催しようと決めた時、真っ先にゲストをお願いしました。
今回野呂さんに話してもらったのは
価値観が変わった3回の旅について。
1回目は初海外となるタイ。友人と2人で1ヶ月ほどの滞在。
ここで感じたことは「自分はどこでも行けるんだ」ということ。
2回目のモロッコ1人旅では、
現地の人から「私は世界を回れないから、あなたがやってください」
と言われ、恵まれた日本と、自分が日本人であることを実感したとのこと。
そして3回目の世界一周では、
各地で様々な人や文化に触れた後に日本に帰ってきて、
高校生が買い食いしている姿を見て衝撃を受け、
旅は日常にある、旅は生きることだと感じたそうです。
初めて見る国々の風景と、その地を訪れた日々の話しに耳を傾け、
野呂さんの世界一周に思いを馳せました。
最後の20分ほどでワールドカフェ。
2グループに分かれて、各自の価値観が変わった体験について語りました。
次々と出てくる体験を聞いていると、
「価値観が変わらない旅などない」と思ったのです。
時間をオーバーして話しが盛り上がったまま、4時間目が終了しました。
本来ならたっぷり1時間をかけて、
今回の旅学の振り返りと、自分にとっての旅の再定義をしたかったのですが、
3人のゲストの話しとグループワークが長引いて、
十分な時間を確保することができませんでした。
ですので、全員が一言ずつ今日の感想を言って終わりました。
全員の意見を集約すると大きく3つ。
①自分と違う旅を聞いて、視点の違いを感じた
②講義の内容が多くて、頭の中が整理できていない
③旅に出たくなった
十分な時間がないながらも、
感想の一言に言いたいことが凝縮されていたように思います。
特に③が大事で、ここでは自分で考えて行動することを目的として掲げているので、
「自分で動きたい!」という思いが芽生えたことは
とても嬉しいことです。
ここからまた新しい旅が生まれそう、
そんなことを感じさせてくれた短いまとめの時間でした。
講義の終わりは新しい旅の始まり
普段会えないたくさんの旅を見ることで、
参加者自身が新しい旅、新しい世界を感じることができた今回の旅学。
新しい旅を探す1日だけの旅を、こうして無事終えることができました。
報告は以上ですが、当日の感想や課題・これからの展望については、
また別記事で紹介する予定です。
それでは、参加者のみなさん、ありがとうございました!
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