こんばんは。土屋 (@tutinoko310)です。

少し前に大学を4か月で中退した方のブログ記事が話題になりました。

 4ヶ月で大学を中退し起業します。レールに沿ったつまらない人生はもう嫌だ。 – いしだの話

かなりバズったのでご覧になった方も多いと思います。

どちらかと言えば否定的な意見が目立ち、
しばらく大いにネット界隈を賑わせていました。

大学進学の負担感が増え続けている

さて、彼の起業についてはこの記事では置いておき、
ここでは大学に焦点を当ててみたいと思います。

現代日本は大学全入時代を迎えており、
近い将来は大学淘汰時代に突入し、
人気・研究実績のない大学が消えていくと言われています。

2018年問題と呼ばれる大学進学者数の減少によって財政難に陥り、
大学が消えていくのはほぼ間違いない未来だと考えられます。

 2018年「淘汰の時代」到来か 18歳人口減少と進学率頭打ちで経営を圧迫[大学]

国立大学もその例外ではなく、
自分の母校の新潟大学では財政難によって
教員の新規募集を凍結するという事態になっています。

 新潟大、財政難で教員人事凍結 原則2年間、補充もなし:朝日新聞デジタル

そうした厳しい大学経営を反映して、授業料は年々上昇を続けています。

文部科学省の発表によると、
私立大学では年間平均86万円、国立大学は53万円となっています。

それ以外にも入学金や食費住居費などの生活費があり、
大学4年間で数百万以上のお金を費やす計算になります。

ただ、そこまでお金をかけても
卒業後に正社員として就職できるかわからず、
大卒の非正規雇用の割合は年々上昇。

かつては安心した将来が見込めたので、
高いお金を払う価値がありましたが、
今はこの状況なので大学進学は負担感だけが増しているように感じます。

こうした現状を踏まえると、
大学に通う意味があるのかと戸惑う方も多いはずです。

自分も間違いなくその1人でした。

ただ、自分の場合は大学に行ったことで劇的に人生が変わりました。

大学時代を回想しながら
大学でどう人生が変わったのか書き綴っていきたいと思います。

大学に行く気がなかった高校前半

自分は高校は田舎の進学校に通っていましたが、
高校1年の段階では大学進学は考えておらず、地元就職する予定でした。

地元は佐渡なので魅力的な仕事は少なかったのですが、
大学進学してまで勉強したいこともなく、
大金を払ってまで行く必要などないと考えていたからです。

ただ、高校2年の夏頃に進路を決める時期になり、
当然ながらクラスの多くが大学進学を目指していることや、
担任、教科ごとの先生が大学進学を勧めてくれたこともあり、
少しずつ大学進学に気持ちが切り替わっていきました。

家族に相談したところ、
「下に兄弟がいるから、金銭的負担の少ない大学ならいいよ」
と言われたので、最も実家から近い国立大学の新潟大学を目指しました。

幸いにも勉強自体は好きだったので、
途中でモチベーションが下がることなく続けられ無事合格。

そこから実家を離れての大学生活が始まりました。

大学での最初の変化は自分で考えるようになったこと

自分は元々やりたいことがあって進学したわけではなく、
周りが勧めるから何となく進学しただけで、
マンガやドラマにあるような
キラキラしたキャンパスライフを送ろうとは全く思っていませんでした。

高校時代の延長で何となく学校に行って、
そこで知り合った友達とダラダラ遊んで、
時が来たら就職活動してどこでも働ければいいやと。

ただ、そんな受け身モード全開でいた自分が、
人と関わることでどんどん変化していきました。

まず、生活にお金をかけたくないという理由で大学寮に入りました。

昭和の学生運動の空気が残るような古びた落書きだらけの寮で、
全国から集まった個性的なメンバーに囲まれて生活していました。

この恵まれた時代に、
大学から10kmも離れた2人部屋が基本の古びた寮に入ってくる人は
何か違うものを持っていて、最初は本当に驚きました。

とんでもなく頭のキレる人がいたり、
ドラマでしか見たことがなかったコテコテの大阪人がいたり、
何年生かわからない謎の長老がいたり。

狭い空間で同じメンバーで暮らすという体験は
正直嫌なこともありましたが、
自分の考えを話す(ぶつける)という経験を初めてまともにしました。

今まで流されて生きてきた自分が
ようやく自分で考えることを覚えていきました。

今は全国に散らばって疎遠になってしまった寮生、
あの4年間はゆっくりと自分の土台を変えてくれたと今思えます。

最大の変化は人と話す楽しさを知ったこと

大学時代に一番やってよかったことは、ギター弾き語りです。

当時は学科の友人とユニットを組んでいて、
ゆずや19のコピーを中心に、毎週金曜日の夜に新潟駅前で歌っていました。

ギターは友人に誘われたことがきっかけで大学デビューし、
単位をほとんど取得し終わってヒマな大学3年の時に、
仕事かというくらい熱中して練習。

半年ほどして友人が新潟駅前で歌うというので同行し、
そのまま一緒に歌うようになりました。

最初はただ歌うことが気持ちよくて通っていたのですが、
回数を重ねて少しずつ人が集まるようになってくると、
歌うよりもそこに集まる人と話す方が楽しくなってきました。

普段の生活で会う人は、寮、学科、サークル、バイトくらいで、
小さな世界で生きていました。
(それでも佐渡から出てきた自分にとっては広かった)

そんな日々だったのに、
突然全く別の世界の人たちと交流することができ、
一気に世界が広がった実感がありました。

部活帰りや学校をサボりがちな高校生とよく話しました。
どこかの企業の重役やとある業界団体のトップと一緒に歌うこともありました。
中学時代の恩師や先輩と再会したり、
旅行中の外国人の方と日付が変わるまで話して歌うこともありました。

それまであまり自分から話す方ではなかったのに、
世界にはこんなにも面白い人たちがいて、
自分が知らない世界があることを知ったことで、
「話したい」という欲求が恥ずかしさを上回っていきました。

歌い始めた当初はどこかぎこちない会話も、
失敗を重ねて話し続けるうちに、
いつしか話すことの方が楽しくなっていきました。

今まで関わったことのない人たちと話す楽しさを知ったこと。

これが大学時代の最大の変化だと今振り返って思います。

そしてこの変化があったからこそ、
知らない人と話す不安がなくなり、今の朝活を始めることができました。

だから、大学行ったら人生変わったと断言できます。

大学に行くのは世界を広げるため

大学へ行く理由は人それぞれで、
勉強のためだったり、資格取得のためだったり、就職のためだったり。

ただ、その目的のために大金を払えるかと言われたら、
戸惑ってしまう人が多いのが現実。

それでも自分は今はまだ大学に行くことをお勧めしたいです。

先ほど紹介した自分の体験があることはもちろん、
大学に行くことで世界が一気に広がる可能性があるからです。

大学では1000人単位で学生が在籍しています。

地方の単科大学では地元の人が多く集まってしまいますが、
地方でも県庁所在地にあるような大学だと、
近県からも人が集まってきます。

高校までは狭い地域の人たちと交流するだけで、
その世界が自分の全てだったりしますが、
大学進学でその世界を飛び出すことで、大海を知ることができます。

広い世界を知るということは、
言い換えれば人生の選択肢を増やすということです。

限られた世界で生きていると、
人生とはこうあるべき!という考えに陥りやすく、
そのレールから一度外れてしまうともう生きていけない、
という不安に襲われてしまいます。

広い世界を知り、多くの人と関わることで
こうあるべき!という道以外の生き方を知ることができるので、
人生で行き詰まる可能性がぐっと下がります。

もちろん、大学に行かなくても広い人間関係を築くことはできます。

大学の良いところは在籍している人が多く、
規模が大きければある程度の多様性があるところ。

だから多様な人に会いやすい。

そんなわけで自分は現代では大学に通うメリットがあると考えています。

最後に

思わず長編になってしまいました。

大学を辞める選択はそんなに焦らなくてもいいのでは、
という内なる問いをきっかけに書いてみました。

「大学つまらないから辞めようか」
と思っている方がいましたら、少し踏みとどまってもいいと思います。

勢いで辞めてしまうと後から後悔することもあるので。

では、今日は感傷に浸りながら夜を過ごそうと思います。

明日も良い1日になりますように。

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