こんばんは。土屋 (@tutinoko310)です。
先日、暗やみ本屋ハックツに関わっている友人と会って話す時に、
「10代の方に読んで欲しい本を紹介して欲しい」
というお願いがあったので、思い出の本を持っていきました。
選んだ本は大学時代に読んだ本、「生きるヒント」です。
600万部を超えるベストセラーとなっているので、
手にとって読んだ方もいるかと思います。
シリーズになっていて全5巻読みましたが、
最初に読んだのが1だったので、1を紹介しました。
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五木 寛之 角川書店 1994-06
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大学2年の夏休みにあまりにヒマな時期があったので、
ヒマつぶしをしようと、当時住んでいた寮の後輩に話したところ、
この本を紹介してくれました。
シリーズ全てに共通して言えることですが、
文字が大きく行間も広いので、読書の習慣が全くなかった自分でも、
気持ち良いリズムで読むことができました。
著者の経験を元に、人間の様々な感情について触れ、
読む人に元気と勇気を与えるようなエッセイです。
この本を読んだことで、自分も少し読書をする習慣がつきました。
今振り返ってみると人生を変えた一冊と言えるかもしれません。
この本で一番印象に残っている部分は「悲しむ」の章、
第二次世界大戦中にナチスドイツが大量のユダヤ人を虐殺した
アウシュビッツ強制収容所での話です。
非常に過酷な環境で強制労働に当たっていたユダヤ人ですが、
そうした絶望的な状況においても、笑うことを忘れなかったと言います。
笑うと言っても、コントや漫才のようにあからさまに笑わすのではなく、
例えば美しい夕日を見て穏やかな気持ちになるといったように、
日常の小さなことに幸せを見出していました。
これを読んだ大学2年の夏休みは暗黒の時代で、
時間は大量にあるのに、特にやりたいこともなく、
勉強もせず、少しのバイトとサークルであとはダラダラと過ごすという
典型的にダメな大学生でした。
日々なんとなく生きていて、面白くないなと思っていた時期。
それがこの生きるヒントを読んだことでちょっと変わりました。
「いや、特に変わらないと思えるこの日々にも
実は楽しいと思えることがたくさんあるんじゃないか」と。
それまでの自分は、何か特別な行動をしないと、
自分を満たせるような楽しさは得られないと思っていました。
ただそれはハードルの高いことで、
できたらいいなと思いながらも何も行動できていませんでした。
この本を読んだ後は、そこまで特別なことをしなくても、
日々できる範囲で小さな楽しさを見つけるだけでも
十分満足した日々を過ごせるんじゃないかと思うようになりました。
この悩んだ夏休みが終わった後は、
自分が気になった本を読むようになったり、
ギターを弾くようになったり、
日常に小さな変化が生まれて、
暗かった夏休みが嘘のように一気に楽しくなりました。
日常の小さな楽しさは非日常の楽しさを超える
そんなことを強く実感する本との出会いでした。
20年近く前に読んだ本を久しぶりに開いた時、
当時の感情がおぼろげながらも思い浮かんできました。
あの時悩んだ時間は苦しかったけど、
そのおかげで良い本と出会い、今の楽しい人生につながったので
今はとても良い思い出です。
次はどんな人にこの本が渡るのわかりません。
願わくばこの本を手にとった人が、
自分と同じように日常に小さな楽しさを見出し、
小さな一歩を踏み出して欲しいと思うのです。
では、明日も良い1日になりますように。
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